第4回ADR法改正WG議事概要(2011年8月29日)

出席者(敬称略)

荒木敏朗、安藤信明、伊藤浩、奥田久美、小原正敏、垣内秀介、加藤幹夫、河井聡、佐藤昌之、沢田登志子、志野忠司、田中圭子、西田寛、渡部晃

0.議事に入る前に

垣内座長より、新たにWGに参加することとなった全国社会保険労務士会連合会専務理事 奥田久美氏の紹介があった。また、7/27開催の実務情報交換会への協力に対し、感謝の意が表された。

1.ワーキング・グループ報告書のイメージについて

座長より、たたき台として【審議資料8】報告書のイメージ【審議資料9】提言のための論点整理メモが示され、検討の視点・方向性につき了承された。

実務情報交換会において検討すべき論点との指摘があった「相談との連携」に関し、渡部委員作成資料「いわゆる「相談」概念とADR」、入江委員(ADR調査企画委員会)作成資料「民間調停手続と相談」が紹介された。同じく同交換会で指摘のあった「金融ADRに学ぶべき点」については、次のような意見があった。

・ 応諾義務があることが大きいのではないか。相手方が応じるかどうかが不透明だと、手続きを進めにくい。

・行政的な目的を持って作られたADRなので、事業者と消費者の力の差を前提にしている。これは一般のADRにはない前提であり、個別法令で、証拠提出義務や特別調停案など、武器がいろいろ用意されている。しかし応諾義務くらいは、どんなADRにもないと商売にならないという見方もあり得るか。

・民事調停には過料がある。金融機関は監督官庁からの指示で、基本契約を締結しないといけない。

・自由なADRという意味ではそもそもけしからんという見方もできる。

・義務だけ課しても、やる気のない相手であればADR機関の負担になるだけ。

・応諾義務が大きいのはその通りだが、特別なムラの中の話なので、そんなに問題になることはない。

・監督官庁の監督指針に「顧客の苦情には信義誠実に対応しろ」とあり、その法律的処理に過ぎない。

前段階なしでは違和感があり、制度の濫用への懸念もある。金融での議論がそのまま応用できるかは、一般的には研究が必要ではないか。

その他、個別論点についての議論は次の通り。

(法テラスとの連携)

・アクセスの問題はともかく、法律扶助の問題は論点としての方向性が見えにくい。

・現在はADRへの扶助は認められていない。弁護士代理をつければなんとか読めるか、という程度。論点としては以前から言われていたものであり、適法なADRであれば認めても良いとする等の議論もある。言えば実現するというものでもないが。

・ 法改正事項にはならないのではないか。回付の問題は実務的にはあるが、「連携を図れ」というのは一応法律にある。

・利用促進の観点からは非常に重要。報告書には書くべき。

・ 法テラスの地方事務所が、自主事業として「扶助」ではなく「支援」を行っている。これを正規事業にというかどうかはもう少し実態を見ないといけないが、振り分け業務での連携はもっとあっても良い。お金の問題ではない。

・但し支援の額が、事前の示談交渉としてADRを考えているので安い。全面的な支援ではない。原子力事故の損害賠償も対象になっていない。

・コールセンターの画面を見ると、あれではADR機関は出てこないと感じる。変える方法はあると思う。

・扶助協会の法テラスへの移管の際、自主事業の移管がうまくいかなかった点もある。自主事業がどのように移管されたか実態把握がされていない。少年犯罪等をどう考えるか。トピック自体を精査してからの方が良いのではないか。

・ 大阪事務所では、相対から民事調停は出るが、相対からADRでも出るようにした。ADRがなかなか利用されないのはアクセスの問題もある。代理人費用だけではなくて支援しているケースもある。但し貸与だが。

・法テラスにも確認し、課題として挙げるべきか検討する。

(民事調停との連携)

・ 特に要望が強い団体から具体的に出してもらうのが良いと思う。連携の具体的な姿を明確にしないといけない。

・典型的には事件の回付と考えて良いか?

・ 回付というと義務のように聞こえる。自主的なものは現行法でも可能。現実の回付に障害がない方が良い。

・ 裁判所がADRに任せるというケースはあるか?

・破産管財人同士の争いで、破産直前に、裁判官同士の不信感がつのってというケースがあった。

・専門性の高い領域だと裁判所も振りやすい。

・ 回付といっても、実際は裁判をいったんやめてみるということ。

(他機関との連携にあたっての証拠提出)

・ 過去、民間ADRで調停案を提示したが合意に至らず、一方当事者が、民事調停に持ち込みたいのでADRの際に得た先方資料などを裁判所に証拠として提出しても良いかと聞かれ、ルールがなかったので困ったという事例があった。

・提出は不可、と明確にルール化しているADR機関もある。モデル調停規則のようなものは、世の中にどの程度浸透しているのか?何も書いていない時にどうなるかを法律に書くということか?

・機関としてルール化していても、強制力を伴う時に困る。令状取られたら拒絶できるかという問題。

・解釈論でもなんとかなるかも知れないが、できれば規定が欲しいとのアンケート回答があった。

・規則に反して出した時の証拠能力という問題もあるか。

・基本法、促進法には書きにくい。書くとすれば民訴法か。

・基本法なら書いても良いかも知れない。

・ 報告書では厳しく限定しなくても良いかも知れない。幅広く盛り込むスタンスとし、今後具体化して諮ることにする。

WGの議論のまとめ・報告書については、今後、座長を中心とするJADRA側委員で作成した原案につきWGメンバーにコメントを求め、それを集約した形で作成していく。

2.シンポジウムの準備について

座長より、以下の構想につき提案があり、了承された。

1) 報告書案を基調報告の形で報告し、

2)その内容につきシンポ参加者(パネルディスカッション参加者及び当日の出席者)から意見・コメントを頂く(シンポのパネラー等の人選・進行は座長に一任)

3) シンポジウムの議論を踏まえて最終的な報告書を完成させる。

(パネル構成案)WGから1〜2名、研究者、実務家、利用者の各立場を代表する方々

* 法務省ほか関係省庁にオブザーバ参加を依頼

* 議論を受けての総括コメントをどなたかに依頼

・利用者そのものが参加するのか?

・ 代理人として多く利用しているということではないか。仙台弁護士会の会報に、ヘビーユーザの座談会が掲載されていた。こういった動きが活性化につながっている。他の士業でも飛び抜けて多いところがあるか?

・調査士会はそこまでいっていない。

・ 社労士の中には、非常に使っている者がいると聞く。特定社労士1人が年間に1件持ち込めばかなりの数になる。個別紛争解決は47の労働局で無料提供されている。行政は、権威の下に法律的解決をしようとするが、実際は職場のいじめ的なものも増えている。話をよく聞いてつなぐ必要がある。

・金融でも、特定の事業者との間で利用が集中することがあるのでは?

・ 利用した結果どうだったか、という視点はあるかも知れない。

日程は12/5(月)15:00-17:30 (+懇親会)を第一候補とする。

前回の参加者は60名程度。関連の学会などに案内することを考え、もう少し大きな規模を想定。

3.その他

今後のWG開催日程は以下の通り。

9月30日(金)15時-17時

10月24日(月)15時-17時

11月28日(月)14時-16時

 

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